岡本さんという、タイに長い
人がうちの会社に広告の話で
来ていたので、話をしました。
本名は岡本倭文男(シズオ)さん、
89歳です。
見た感じ、急激にやせたように
見えるのですが、「大分、やせた
んじゃないですか」と聞くと、
「血流があまりまわっていかない
のよ」ということのようです。
岡本さんとは16~17年前から
の知り合いでしょうか。
今の日出レストランのある場所や、
そのほか、いろいろ、土地や建物を
買われていて、そういえば、
広告を載せたいというので、
シラチャーで所有されている
場所まで行ったこともありますね。
話し方や話の内容は以前と
変わらず、からだはかなりやせた
ように思いますが、頭の方は
以前と変わらず、しっかり
されていますね。
岡本さんに以前、聞いた話で、
例えば、伊勢丹があったところ
は昔、置屋があったとか、さすが
50年前からいる人の話は、
とっても新鮮ですね。
語り出すととまらない岡本さん
ですが、「寂しいこと」というと
あまり人が寄ってこないこと
なんだと言っていました。
何となく、その気持ち、わかり
ますね。タイ歴50年の岡本さん
に話しかける人はあまりいない
んでしょう。
タイに来ている人はあわい夢を
持っている人が多いですから。
それを頭ごなしで「それは
あかんで!」と今までの経験から
言われると、それが正しくても、
結論が出てしまって、あまり
おもしろくないんですね。
私もそういうの、結構、ありますね。
タイに来たばかりの人とかは、
いろいろ、楽しいじゃないですか。
でも、その先は私もわかって
いるのですが、それを面と向かって
言われたくない人もいるし。
だから、余計な話はしませんけどね。
でも、岡本さんは宿泊所を経営
しているので、そういう人が
常に来るわけですね。
あと、彼は、もう十分、生きたと
言っていましたね。
あとは、華僑の子どもたち3人
が引き継いでいくと。ただ、
その子どもたちが、もう少し
親への感謝を持ってくれたらと。
奥さんが4、5年前に亡くなっ
たといいますから、それも
何となくわかりますね。子ども
の感謝が自分に足りないと
いうのも。
ところで、奥さんの墓はどこに
あるのですか、と聞くと、
「いや、そんなものない。
すべて散骨した」「自分の骨は
嫁さんと同じように散骨して
ほしい」とも言っているよう
ですが、せっかく日本人会に
入っているのだから、
日本人納骨堂には収めるの
がいいと思いますね。