日本経済新聞によると「三越伊勢丹ホールディングス(HD)はタイ・バンコクの店舗を8月で閉鎖する。近年、周辺の新たな商業施設に地元大手企業の出店が相次いでおり、競争が激化していた。海外戦略を見直すなかで同店の運営継続は困難と判断し、閉店を決めた。8月末で子会社が運営する伊勢丹バンコク店を閉じる。同店は1992年2月に開業した。高級百貨店ではあるが、近年はタイの大手企業がバンコク市内に商業施設を多数出店しており、日本の百貨店ならではの強みを出せない状況が続いていた」とあります。
1992年というと28年前ですかね。そういえば私がタイに来たころに進出してきて、当初はバンコクの街中をぶらぶらしていたので、6階の紀伊国屋などが定番の巡回コースだったと思います。
そのころはSOGOがなくなって唯一の日系デパートという感じで、日本の新宿・伊勢丹を思い浮かべるんですが、でも1~5階を見てみると、日本の一流デパートとはちょっと違うなという感じで、自分の中では新宿・伊勢丹のレベルが高かったので、タイの伊勢丹はそれとは別ものと思っていました。
当初、鎌倉山が伊勢丹の6階の紀伊国屋の近くにあって、それは、伊勢丹の中ではなく外にあったのですが、うちに広告を載せてもらって、いろいろ家主のセントラルパッタナーとのやり取りも手伝っていたんですが、突然、5年分の固定資産税を払え!と言ってきて、そんなメチャクチャな、という気はしましたが、相手はセントラルで勝ち目はなく、店子として払わざるを得ないものでした。
そのセントラルの資料の中に、同じく伊勢丹が店子として支払う固定資産税が載っていたのですが、5年間だととんでもない金額で、そんなお金を払ってどうやって維持していくのか?と20年ほど前に思いましたけどね。でもそれから20年も維持してきたんですが、私はバンコクの伊勢丹はずっとお荷物だったと思いますね。
タイではデパート形式の売り場はうまくいかないというのは昔からあって、最近は日本でもそんな感じでしょうか。タイでは従業員は物知りではないですからね。ただの店員です。
まあ、例えば私なら、シャツやズボンを以前は伊勢丹で買っていましたが、別に伊勢丹がなくなっても、セントラル・チットロムで、そのブランドの服は売っていますからね。
タクシンの赤とか、あのころから、あのセントラルワールド前というのが、何かをやる時の象徴として使われて、逆にそこに寄り付かないように、と日本大使館からお知らせが来て、爆弾騒ぎなどもラチャプラソン周辺で起こすことで反響がある、ということになり、スクムビット在住者はわざわざ、チットロム方面には行かなくなったんですね。
向かいにドンキホーテが進出してくるのも影響があったのかも知れませんが、タイではこの形態は難しいと思います。ビッグCもマクロもテスコロータスも結局、タイ大手に買い取られて、純粋に外資での進出は減る一方ですね。
結局、製造、生産から一貫してその大手が牛耳っているから、CP、セントラル、TCCなど、流通大手5番手ぐらいまでと組まないと、やっていけないですね。サハと組んでうまくやっていけるかはどうでしょう。
もう少し、タイ政府が規制をして、それぞれの業種での網をかける必要があると思いますが、大手がさらに収入が伸びる形になっているので、超大手向け規制法ですよね、必要なのは。